省エネ基準ぎりぎりの家は2027年から何が変わる?|控除・贈与・補助金の期限
標準仕様が断熱等性能等級4(省エネ基準適合)の家を、これから契約する人にとって、いちばん早く来る期限は、住宅ローン控除の「建築確認を受ける日」です。 国税庁は、省エネ基準適合住宅のうち2027年12月31日までに建築確認を受けたものまたは2028年6月30日までに建築されたものを、2028年以降に入居しても、借入限度額2,000万円で10年間の控除が受けられるとしています(2026年4月1日現在法令等)。
この記事は、等級4の家に関わる制度の期限を、年表にまとめます。決まっていることと、これから決まることを分けて書き、これから決まることは予想しません。個別の税額と適用は、税務署か税理士に確かめてください。
この記事に出てくる専門用語
- 省エネ基準適合住宅:断熱等性能等級4以上、かつ一次エネルギー消費量等級4以上の家。住宅ローン控除での呼び方
- ZEH(ゼッチ)水準:光熱費を抑えやすい省エネ住宅の基準。断熱等級5にあたる水準。控除では、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上
- 断熱等性能等級:断熱性能の国の等級。数字が大きいほど高い。等級4はいまの最低基準にあたる水準
- 一次エネルギー消費量等級:家全体の省エネ性能の国の等級
- UA値:室内の熱が外へ逃げやすいかを示す数値。小さいほど逃げにくい
- BEI:家全体のエネルギー消費量が、基準の何倍かを示す数値。小さいほど省エネ
- 建築確認:建てる前に、計画が法律に合っているかを役所などが確かめる手続き
- 経過措置:制度が変わるとき、決まった条件の家だけ、前の扱いを続ける定め
- 借入限度額:住宅ローン控除の対象になる、年末のローン残高の上限
- 税制改正の大綱:政府が毎年12月ごろに決める、翌年度の税制改正の方針
- 概算要求:各省庁が、翌年度の予算として財務省に出す要求。要求の段階では、予算は決まっていない
- 上位住宅トップランナー制度:住宅の供給戸数が特に多い事業者を指定し、計画の提出と毎年度の報告を求める制度
期限の年表
年表の濃い枠は、公式の資料に書かれている日付です。点線の枠は、これから決まることです。税制改正の大綱は、2024年度が2023年12月22日、2025年度が2024年12月27日、2026年度が2025年12月26日に閣議決定されました(財務省)。近年は12月です。2027年度の大綱の日付は、この記事を書いた時点で分かりません。
出典:財務省 2026年度税制改正の大綱・2025年度・2024年度
等級4の家と、ZEH水準の家で、受けられるもの
住宅ローン控除・贈与の非課税・補助金のどれも、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上(ZEH水準)の家のほうが、条件が広くなっています。
- 借入限度額は、国税庁のいう「特例対象個人」なら、図の金額より1,000万円多くなります(等級4の家は3,000万円、ZEH水準の家は4,500万円)。特例対象個人は、40歳未満で配偶者がいる人、40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、19歳未満の扶養親族がいる人です。2028年以降に入居する等級4の家の経過措置には、この上乗せは書かれていません
- 贈与の非課税の1,000万円の枠は、ZEH水準のほかに、耐震等級2以上(免震建築物を含む)、高齢者等配慮対策等級3以上のどれかでも届きます。くわしくは、親からの住宅資金の贈与、非課税はいつまで?にまとめています
- みらいエコ住宅2026事業の新築の補助対象は、GX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅です。等級4だけの家は、対象として書かれていません
出典:国税庁 No.1211-1・国税庁 No.4508・みらいエコ住宅2026事業 注文住宅の新築
住宅ローン控除の経過措置
2028年以降に入居する等級4の家は、2027年12月31日までに建築確認を受けるか、2028年6月30日までに建築されたものなら、控除が受けられます。 それ以外は、控除が0になります。
- 決まるのは、入居する日ではなく、建築確認を受けた日か、建築された日です。契約から建築確認、完成までの予定を、会社に確かめます
- ここに書いたのは、2026年4月1日現在の法令等です。12月の税制改正の大綱で、控除の扱いが変わることがあります。大綱が出たら、この記事を書き直します
出典:国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、2022年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
補助金の今と、来年度の要求
みらいエコ住宅2026事業の新築の交付申請は、遅くとも2026年12月31日までです。来年度のみらいエコ住宅2027事業は、国土交通省の要求の段階で、予算は決まっていません。
- 新築の補助対象は、GX志向型住宅(すべての世帯)と、長期優良住宅・ZEH水準住宅(子育て世帯または若者夫婦世帯)です。ZEH水準住宅の補助額は、1〜4地域で40万円、5〜8地域で35万円です
- 交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日まで、交付申請は遅くとも2026年12月31日までです。どちらも、予算の上限に達した場合は、その時点までです。注文住宅の新築のZEH水準住宅だけは、交付申請が2026年9月30日までで、受付は終わっています
- 公式サイトは、予算に対する申請額の割合を、毎日更新して載せています。2026年10月23日午前0時時点は、GX志向型住宅が67%、長期優良住宅・ZEH水準住宅が40%でした
- 国土交通省の2027年度の概算要求は、「みらいエコ住宅2027事業」を新規の事業として2,000億円で要求しています。ZEH水準の省エネ性能が確保された住宅の新築と、既存住宅の省エネ改修などを支援する事業を「創設する」という要求です。実現するかは、これから決まります
出典:みらいエコ住宅2026事業 公式・同 注文住宅の新築・国土交通省 2027年度 住宅局関係予算概算要求概要
国の基準の引き上げ
国は、省エネ基準を段階的に引き上げることを、遅くとも2030年度までに実施するとしています。施行日と具体の基準値は、今回確かめた資料に書かれていません。
- 国土交通省の概算要求の資料は、地球温暖化対策計画(2025年2月18日閣議決定)を引いて、「2030年度以降新築される住宅についてZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し、整合的な誘導基準・住宅トップランナー基準の引上げ、省エネルギー基準の段階的な水準の引上げを遅くとも2030年度までに実施する」と書いています
- 2026年7月に公布された改正建築物省エネ法(2026年法律第75号)の、上位住宅トップランナー制度は、2027年4月1日に始まります。住宅の供給量が特に多い事業者を指定し、計画の提出と、取組状況の毎年度の報告を求める制度で、注文戸建て住宅の事業者は年間2,000戸が指定の基準です
- 2025年4月から、省エネ基準への適合は、原則すべての新築住宅の義務になっています。くわしくは、2025年4月の建築基準法改正で、契約前に確かめることはどう変わったかにまとめています
出典:国土交通省 2027年度 住宅局関係予算概算要求概要(36ページ)・国土交通省 報道発表 2026年9月11日
長野県で建てる人へ
長野県では、2028年4月1日以後に工事に着手する新築住宅は、ZEH水準への適合が義務になります。 長野県の条例の話で、ほかの県の話ではありません。
- ZEH水準への適合は、建築確認の審査の対象です。県が定める基準は、地域区分の2・3・4・5地域で、UA値が0.40・0.50・0.60・0.60、一次エネルギー消費量の基準(BEI)が0.8です
- 設計者が建築主に省エネ性能などを説明し、「省エネ計画概要書」を提出する義務は、2027年4月1日以後に設計を委託した建築物から始まります
- 県の資料の更新日は、2026年5月15日です
出典:長野県 2027年4月から改正長野県地球温暖化対策条例が段階的に施行されます
住宅の会社に契約前に確かめること
等級4の標準仕様の会社と契約するときは、次の5つを書面で確かめてください。
- 標準仕様の等級:断熱等性能等級と、一次エネルギー消費量等級の数字を聞きます。等級を示す証明の書類が出せるかも聞きます。等級の見方は、断熱等級・省エネ性能の見方にまとめています
- 建築確認を受ける予定の日:2027年12月31日までに受ける予定か。着工と完成の予定が、2028年6月30日までに収まるか
- ZEH水準にした場合の見積もり:標準仕様との差と、控除・贈与・補助金で変わるものを、一覧にしてもらいます
- 補助金の申請:会社がみらいエコ住宅事業者に登録しているか。補助金の交付申請を、会社が代わりに行うか
- 長野県で建てる場合:着工の予定日が、2028年4月1日より前か後か
この記事を、いつ見直すか
2027年度の税制改正の大綱が出たときです(近年12月)。 ほかに、国の省エネ基準の引き上げの内容が公表されたとき、みらいエコ住宅2027事業の予算が決まったとき、みらいエコ住宅2026事業の受付が終わったときにも、同じURLで書き直します。
補助金と住宅ローン控除の全体は、注文住宅で使える補助金・住宅ローン控除まとめにまとめています。
この記事の作り方:2026年10月23日に、国税庁のタックスアンサー、国土交通省の概算要求概要と報道発表、みらいエコ住宅2026事業の公式サイト、長野県の公式ページを開いて確かめました。大綱の閣議決定日は、財務省の各年度の大綱の表紙で確かめました。住宅ローン控除の借入限度額の表は、国税庁のページの画像の表です。口コミや報道の転載は使っていません。