注文住宅の断熱等級・省エネ性能の見方UA値・C値・ZEH・HEAT20をやさしく解説

建築中の住宅の壁に断熱材が充填されている様子。柱と間柱の間に隙間なく詰められ、手前に石膏ボードが立てかけてある

「断熱等級6って何?」「UA値は0.4以下がいいって聞いたけど本当?」「C値って全棟で測るべき?」——家づくりを検討しはじめて性能の話に触れると、聞き慣れない用語と数字が一気に押し寄せてきます。

住宅の性能は、契約後に変えるのが難しい部分です。だからこそ、契約前に「その用語は公式にはどう定義されているのか」「その数字は何を表しているのか」を、自分の言葉で理解しておくことが後悔を防ぐ最短ルートになります。

この記事は、国土交通省・独立行政法人 建築研究所・一般社団法人 HEAT20・経済産業省 資源エネルギー庁など、公式サイトで確認できた定義と数値だけで、注文住宅の断熱等級・省エネ性能の見方を整理します。会社のカタログやSNS動画を撮影・編集する側にいる立場から言うと、性能の数字は「読み方を知ってから」比較しないと、比較そのものが成立しません。

はじめにこの記事の縦糸を示します。性能の数字を見るときは、その数値が「設計計算で求めた値(設計値)」なのか「実測で確かめた値(実測値)」なのかを常に区別する。UA値は設計値、C値は実測値。ここを分けて見るだけで、カタログの読み解き方が変わります。この縦糸で、以下の各章を貫きます。

この記事に出てくる専門用語
  • HEAT20 G1・G2:民間団体が定めた断熱性能の水準。国の省エネ基準より高い目標
  • 開口部:窓やドア
  • 延床面積:各階の床面積を合計した広さ
  • 気密測定:家の隙間の少なさ(C値)を実際に測ること

断熱性能を測る2つの指標:UA値とC値

結論:UA値は「設計計算で求める」外皮の熱の逃げにくさ、C値は「実測でしか正確に出せない」隙間の少なさ。まったく別の物差しです。

住宅の断熱・気密性能を測る主要な指標が、UA値とC値です。よく並べて語られますが、性格がまったく違います。

UA値(外皮平均熱貫流率)

UA値は、住宅の外皮(外壁・屋根・床・窓など、室内と外気を仕切る部分)から、室内の熱がどれだけ逃げやすいかを示す指標です。単位はW/(㎡・K)で、数値が小さいほど断熱性能が高いことを表します。

国土交通省の設計住宅性能評価書の様式では、断熱等性能等級の結果表示として「外皮平均熱貫流率【W/(㎡・K)】」と定義されており、値は「数値が小さいほど断熱性能が高いことを示しています」と説明されています(出典:国土交通省「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」令和7年12月1日施行版)。

UA値の重要な性質は、設計図書と部材仕様から計算で求める「設計値」であることです。壁や窓、屋根、床の断熱材の種類・厚み・面積、開口部の熱貫流率などを入力すれば、実際に建てなくても算出できます。逆に言うと、実際の施工品質が完璧かどうかまでは、UA値だけでは分かりません。

C値(相当隙間面積)

C値は、住宅の床面積1㎡あたりに、どのくらいの隙間が存在するかを示す指標です。単位は㎠/㎡で、数値が小さいほど気密性能が高いことを表します。

前掲の国土交通省設計ガイドでは「C値:相当隙間面積、単位は㎠/㎡。床面積1㎡あたりどれくらいの隙間があるかを面積で示した数値。C値が小さいほど気密性が高い」と定義されています。同ガイドは続けて「気密性能は計算では求めることができず、実測で確認することになります」と明記しています(出典:国土交通省・一般社団法人 環境共生まちづくり協会「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド」令和7年3月)。

つまりC値は、1棟ごとの気密測定(JIS A 2201:2017などによる実測)でしか正確な値が出ない実測値です。設計段階で予測値を示すことはできますが、真の値は現場で測ってはじめて分かります。

カタログで「書ける会社」と「書けない会社」の質的な差

UA値は設計値なので、標準仕様を決めれば「モデルプランのUA値は0.〇〇です」とカタログや広告に載せられます。多くの住宅会社が、モデルプランや標準仕様のUA値を公表しています。

一方、C値の実測値を「全棟」で公表できる会社は限られます。全棟で気密測定を実施し、その結果を施主に測定シートで開示するためには、施工体制と品質管理の仕組みが必要だからです。カタログにUA値の目安を書ける会社は多いが、「全棟C値実測・測定値開示」と書ける会社は少ない——ここに、性能に対する会社の姿勢の差が現れます。

この縦糸は、本記事の第6章「C値(気密)と換気の関係」と第8章「性能を確認するときに会社に聞くべきこと」で改めて回収します。

断熱等性能等級(新7等級)の見方

結論:断熱等性能等級は品確法に基づく7段階の等級で、2022年に等級5・6・7が新設されました。2025年4月からは等級4以上が新築住宅の義務となっています。

断熱等性能等級は、平成12年(2000年)に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)に基づく住宅性能表示制度の中で、住宅の外皮の省エネ性能を評価する等級です(出典:国土交通省「住宅:住宅の品質確保の促進等に関する法律」)。

現在の等級区分(2025年時点)は、次の7段階です。

出典:国土交通省「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」令和7年12月1日施行版

等級4は「十分」ではなく「義務の下限」

2025年4月に施行された建築物省エネ法の改正で、等級4は原則としてすべての新築住宅に適合が義務づけられました。つまり等級4は「これなら十分」という水準ではなく、「必ず満たさなければならない下限」です。

さらに国のロードマップでは、2030年度以降に新築される住宅について、ZEH基準の水準の省エネ性能の確保を目指すとされています(第6次エネルギー基本計画)。補助金の要件も等級5以上を条件にするものが増えています。いま等級4ちょうどで建てると、数年で「下限の家」になります。

2022年に等級5・6・7が新設された経緯

もともと住宅性能表示制度の断熱等性能等級は、等級4を最高等級として、等級1〜4の4段階で運用されていました。2022年、より高い断熱性能を制度上表示できるようにするため、上位等級が段階的に新設されます。

国土交通省の設計ガイド(令和7年3月)は「従来、住宅性能表示制度における断熱性能等級は等級4(平成28年省エネルギー基準、以下『省エネ基準』)を最高等級に、等級3(平成4年基準相当)、等級2(昭和55年基準相当)が定められていました。2022年には、より高い断熱性能を示す等級5(誘導基準・ZEH要件)、等級6(ZEH+ハイグレード仕様)、等級7が新たに創設されました」と整理しています。

なお等級7については、8地域(沖縄など)には基準が設定されていません。8地域は冬期の暖房負荷が小さく、等級6を上回る断熱仕様の必要性が制度上想定されていないためです。

2025年4月に等級4以上が義務化された

長らく住宅性能表示制度は任意の制度でしたが、建築物省エネ法の改正により、2025年4月以降に新築される原則すべての住宅について、省エネ基準(=断熱等性能等級4)以上への適合が義務となりました。

つまり、2026年に新築する家は、等級4が「必ず満たすべき下限」として位置づけられています。「等級4なら安心」というより「等級4は義務化された最低ライン」というのが、現在の実務の地図です。

補助金の性能区分では、みらいエコ住宅2026事業などの住宅省エネ2026キャンペーンで等級5・6以上が求められる区分があり、上位等級を取ることが補助と住宅ローン控除の両面で有利になる仕組みが続いています(具体の補助額は補助金ガイドに委ねます)。

一次エネルギー消費量等級との違い

断熱等性能等級(外皮の断熱性能)とは別に、暖冷房・換気・給湯・照明などの設備を含めた住宅全体のエネルギー消費量を評価する「一次エネルギー消費量等級」もあります。両者はセットで住宅の省エネ性能を表す指標です。この点は第7章で詳しく扱います。

断熱等級の標準仕様は会社ごとに大きく違います

標準仕様で等級いくつまで届くか、オプションで何が変わるか——これは会社のカタログを並べて見比べるのが最短です。まずは2〜3社にしぼって資料を取り寄せましょう。

※この箇所には広告を掲載していません。当サイトはアフィリエイトプログラムに参加していますが、掲載順位・評価は広告の有無や報酬に左右しません。

地域区分1〜8とUA値の基準

結論:UA値の基準値は、気候によって全国を8つの地域区分に分け、地域ごとに定められています。同じ等級でも、地域が違えば求められるUA値が変わります。

日本は南北に長く、気候が地域によって大きく違います。同じ断熱仕様でも、北海道と沖縄では暖房負荷・冷房負荷がまったく異なるため、断熱基準も地域ごとに設定される仕組みになっています。

地域区分の考え方(1〜8地域)

省エネ基準では、全国を1〜8の8つの地域に区分しています。地域区分の代表的な都市の例を挙げると、次のようになります。

地域区分は市区町村ごとに定められており、同じ都道府県内でも標高などで区分が変わることがあります。自分の建設予定地の地域区分は、国土交通省の告示や建築研究所が公表する省エネ基準の技術資料で調べられるほか、ハウスメーカー・工務店に問い合わせれば、その敷地の地域区分を教えてもらえます。

6地域(温暖地)のUA値基準値(等級4〜7)

例として、東京・大阪・名古屋などの多くが含まれる6地域の、断熱等性能等級4〜7の基準UA値を示します。

断熱等性能等級6地域のUA値基準(W/(㎡・K))位置づけ
等級40.87以下省エネ基準(2025年4月から義務化)
等級50.60以下誘導基準・ZEH基準相当
等級60.46以下ZEH+ハイグレード仕様相当
等級70.26以下国内最高等級

出典:国土交通省・一般社団法人 環境共生まちづくり協会「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド」令和7年3月。表内の位置づけ表現は同ガイドの記述に基づく。

同じ「等級6」でも、寒冷地の1・2地域(札幌)ではUA値0.28以下が求められるなど、地域が違えば基準値そのものが変わります。本記事では8地域×7等級の全部を並べた表は載せません(転記ミスと保守コストの観点で、公式の元表を直接参照していただくのが確実だからです)。自分の地域の全等級の基準値は、上記の設計ガイドの表(1ページ)で必ず確認してください。

地域が変われば「等級6の意味」も変わる

同じ「等級6を標準仕様にしています」と会社が言っても、それが1地域なのか6地域なのか、8地域なのかで、実際に求められている外皮の断熱仕様は違います。性能の話は必ず「地域区分いくつか」とセットで見る——これが数値の誤解を防ぐ基本です。

ZEHとHEAT20はどういう位置づけか

結論:ZEHと断熱等級は別制度、HEAT20は民間の水準です。それぞれ設計思想が違い、単純な上下比較はできません。

住宅会社のカタログや広告では、「断熱等級6相当」「ZEH仕様」「HEAT20 G2水準」といった表現が並びます。これらは別々の制度・水準で、単純に比較できないため、まずはそれぞれの位置づけを整理しておきます。

ZEHの定義(強化外皮+一次エネ▲20%+再エネ)

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、経済産業省 資源エネルギー庁が主管する省エネ住宅の定義です。ZEHの目的は「快適な室内環境を保ちながら、住宅の高断熱化と高効率設備によりできる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、1年間で消費する住宅のエネルギー量が正味(ネット)でおおむねゼロ以下となる住宅」と説明されています(出典:資源エネルギー庁「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について」)。

ZEHは、次の3要素をすべて満たす必要があります。

  1. 強化外皮基準:省エネ基準を上回る外皮性能。6地域ではUA値0.60以下(1・2地域は0.40以下、3地域は0.50以下、4〜7地域は0.60以下)
  2. 一次エネルギー消費量の削減:再エネを除いた設計一次エネルギー消費量が、基準値から20%以上削減されていること。
  3. 再生可能エネルギー導入:太陽光発電などの再エネにより、正味(ネット)で年間の一次エネルギー消費量がおおむねゼロ以下

この3要素のうち、①強化外皮基準の水準は、6地域で見ると断熱等性能等級5のUA値0.60以下と同じ数値です。国交省の設計ガイド(令和7年3月)は、等級5について「誘導基準・ZEH基準」と併記しており、外皮水準として近いことを示しています。

ただしZEH=等級5、あるいはZEH=等級6という等式は成り立ちません。断熱等級は外皮のUA値だけを評価する物差しですが、ZEHは設備の一次エネ削減率と再エネ導入まで含む総合基準だからです。「別制度で、水準感が近い」と捉えるのが正確です。

Nearly ZEH、ZEH Oriented、ZEH+などの派生カテゴリの詳細と、対応する補助金の金額は、補助金ガイドに委ねます。

HEAT20 G1・G2・G3の位置づけ

HEAT20は、正式名称を「一般社団法人 みらい 建築・住宅研究機構」(旧称:一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会)といい、高断熱住宅の設計に関する民間の研究会が定める外皮性能水準です。品確法などの法制度ではなく、あくまで民間の設計指標という位置づけです。

HEAT20は、住宅内で目指すべき温熱環境の「シナリオ」を実現するのに必要なUA値として、G1・G2・G3の3つの水準を示しています(出典:HEAT20「住宅シナリオと外皮性能水準」)。6地域(東京)の場合、公式サイトに掲載されたUA値は次のとおりです。

HEAT20の水準6地域(東京)のUA値
G1水準0.56
G2水準0.46
G3水準0.26

出典:HEAT20「住宅シナリオと外皮性能水準」公式ページ

これを断熱等性能等級と対比すると、国交省の設計ガイドの対応表では、G1が「おおむね等級5」、G2が「おおむね等級6」、G3が「おおむね等級7」に対応するとされています。同ガイドは、HEAT20のUA値は地域補正済みの数値であるため「品確法断熱等性能等級の基準値とは異なる場合があります」と注記しています。数値の水準感は近いが、そのままイコールでは結べないという点を押さえておくのが安全です。

3つを一枚の地図で

以上を6地域で整理すると、水準感の近い対応はおおよそ次のようになります(等式ではなく、水準感の対応です)。

繰り返しますが、他の地域では基準値そのものが変わります。この対応感は「6地域だから成立する近さ」であり、他地域の対応は各制度の公式表で確認してください。

C値(気密)と換気の関係

結論:C値には法規制がなく、公的な絶対基準もありません。数値の約束より、「全棟で実測し、測定値を開示しているか」を確認するのが実務的です。

第2章でC値は「実測値」だと整理しました。ここでは、C値の制度上の位置づけと、換気計画との関係を掘り下げます。

C値は法規制ではない

前掲の国土交通省設計ガイド(令和7年3月)は、はっきりとこう書いています。「気密性能の基準は定められていませんが、ひとつの目安として、HEAT20では、断熱のレベルにかかわらず目指すべき気密性能C値は0.7±0.2㎠/㎡としています。」

つまりC値は、品確法の住宅性能表示制度にも、建築物省エネ法にも、法的な基準値が定められていない指標です。「C値0.5以下ならOK」「1.0以下なら合格」といった数値をよく目にしますが、これらは公的な基準ではなく、事業者や研究会が独自に掲げる目安です。

当サイトは、C値について絶対基準の断定はしていません。公式に確認できるのは、①C値は法基準がない、②HEAT20の目安として0.7±0.2㎠/㎡がある、③実測でしか正確に確認できない、という3点だけです。

なぜ気密が重要か——換気との関係

C値が実務で重視される理由は、換気計画と切り離せません。前掲の設計ガイドは、気密化の目的として「①漏気による熱損失を抑えること、②換気経路を明確にして計画換気を行うこと、③壁体内への湿気の流入を抑えること」の3つを挙げています。

家に隙間が多いと、機械換気で計画したとおりの空気の流れが乱れ、想定した位置から給気・排気が行われなくなります。断熱性能が高いほど、換気による熱損失を防ぐために気密がセットで必要になる、という関係です。

換気の方式には、第一種換気(給気・排気ともに機械)と第三種換気(給気は自然、排気は機械)などがあります。断熱性能を上げた住宅では、熱交換型の第一種換気を採用する会社が多く見られますが、方式そのものは会社の設計思想と価格帯で変わります。方式の優劣は本記事では断定しません。

「実測しない会社」と「全棟実測する会社」の差

C値は設計計算では出せないので、気密測定を行わない会社は、施工品質としての気密性能を数字で示せません。標準仕様書のUA値は書けても、C値の実測値が施主に渡らないケースは実務では珍しくありません。

対して、全棟で気密測定を実施し、測定シート(実測値・測定日・測定機関)を施主に開示する会社は、施工品質を数値で見せる姿勢があるということです。カタログでは同じ「高気密高断熱住宅」と表現されていても、この差は大きい部分です。

当サイトは、C値の水準を絶対基準で断定するのではなく、「その会社が全棟で気密測定を実施し、測定値を開示しているか」という会社側の姿勢を確認するよう案内しています。詳しくは第8章で扱います。

一次エネルギー消費量等級と省エネ性能表示制度

結論:断熱等級(外皮)とは別に、住宅全体のエネルギー消費量を評価する一次エネルギー消費量等級があり、広告では2024年開始の省エネ性能ラベルで表示される仕組みになりました。

住宅の省エネ性能は、外皮の断熱だけでは決まりません。暖冷房・換気・給湯・照明などの設備が、どれだけ効率よくエネルギーを使うかも大きな要素です。この設備を含めた総合評価が、一次エネルギー消費量等級です。

一次エネルギー消費量等級(等級1・4・5・6・7・8)

国土交通省の性能表示制度ガイド(令和7年12月1日施行版)によると、一次エネルギー消費量等級は次の等級で構成されています。

出典:国土交通省「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」令和7年12月1日施行版

一次エネルギー消費量等級は、令和7年12月1日施行の告示改正で等級7・8が新設され、より高い省エネ性能を制度上表示できるようになりました。「一次エネルギー消費量」とは、住宅で使用する電気・灯油・都市ガス(二次エネルギー)を、石油・石炭・天然ガスなどの一次エネルギーに換算して集計したものです。

省エネ性能表示制度(BELS等)と省エネ性能ラベル

2024年4月から、新築建築物の販売・賃貸の広告等において、省エネ性能の表示ラベルの表示が事業者に求められるようになりました。国土交通大臣が告示で表示方法を定めており、従わなかった場合は勧告等の対象となります(出典:国土交通省「省エネ性能表示制度」公式)。

省エネ性能ラベルは、次のような項目で住宅の省エネ性能を可視化する仕組みです。

第三者評価としてはBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)があり、登録評価機関の評価を受けたラベルを取得している会社もあります。

広告の「ラベル」を読むときのコツ

省エネ性能ラベルは、住宅の広告や物件情報に貼付されることが増えています。ラベルを見るときは、次の点を意識するとブレが小さくなります。

目安光熱費を「削減額の約束」として読まない——これは、当サイトが光熱費の断定を避けている理由と同じ発想です。

性能を確認するときに会社に聞くべきこと

結論:性能の水準そのものより、「標準仕様でどこまでか」「実測しているか」「証拠を開示するか」という会社の姿勢を確認します。

ここまでの整理を踏まえ、契約前に住宅会社へ確認したい性能まわりの項目を整理します。数値の絶対基準を尋ねるのではなく、その会社が数字とどう向き合っているかを測る質問です。当サイトの評価基準の8項目のうち、「断熱・気密」の背景解説として位置づけています。

UA値まわりの確認

C値(気密)まわりの確認

換気・省エネ設備まわりの確認

制度・補助金まわりの確認

これらを2〜3社にそろえて質問すれば、性能に対する会社の姿勢の差が浮かび上がります。相見積もり全体の進め方は会社選びガイドにまとめました。

性能の姿勢は、資料に書ける項目にはっきり出ます

UA値・C値・断熱等級の書き方、標準仕様の透明度は、会社によって驚くほど違います。まずは2〜3社にしぼって資料を取り寄せ、家で並べて見比べてみてください。

※この箇所には広告を掲載していません。当サイトはアフィリエイトプログラムに参加していますが、掲載順位・評価は広告の有無や報酬に左右しません。

まとめ

3つのポイントで振り返ります。

  1. 性能の数値は「設計値か実測値か」を分けて見る:UA値は設計計算で求める外皮の断熱指標、C値は実測でしか正確に確認できない気密指標。同じ「性能の数字」でも、性格がまったく違います
  2. 断熱等級4は義務化された下限で、上位等級(5・6・7)は地域と予算次第:2025年4月から等級4以上が新築住宅に義務化されました。ZEH・HEAT20は別制度・別水準ですが、6地域では等級5=ZEH強化外皮=G1水準感、等級6=G2水準感、等級7=G3水準感と対応します(等式ではなく、水準感の対応)
  3. C値の絶対基準は公的にはない、大事なのは全棟実測と開示:C値には法規制がなく、「〇以下ならOK」という絶対基準は公的には存在しません。数値の約束より、全棟で気密測定し、測定シートを施主に開示しているかを確認する方が、住み始めてからのブレが小さくなります

都道府県別のおすすめ会社は、トップページのセレクターから探せます。性能の見方が分かったら、次は複数社の資料で標準仕様と実測姿勢を並べて比較する段階です。会社ごとの姿勢の差が最も出やすい領域なので、資料請求ガイドで2〜3社に絞り込んでから、会社選びガイドの8項目で比較していくのが実務的です。性能で後悔しやすいポイントは後悔しやすいポイントと対策、性能で費用がどう変わるかは費用相場ガイド、性能に連動する補助金は補助金・住宅ローン控除ガイド、評価基準の詳細は評価基準ページにそれぞれまとめています。


本記事の作成方針:本記事は、住宅会社のカタログやSNS動画を撮影・編集する側にいる映像ディレクター(100棟以上の住宅撮影の経験)の視点で、注文住宅の断熱等級・省エネ性能の見方を、公式サイトで確認できた定義・数値・制度だけを使って整理したガイドです。数値の絶対基準(「C値〇以下ならOK」「UA値〇以下が理想」等)や、光熱費削減額・健康便益(結露・アレルギー・ヒートショック改善効果)の数値断定は行っていません。これは、光熱費と健康効果は暖冷房方式・生活パターン・世帯構成で大きく変わり、住宅の性能単独で数値を約束することができないためです。参照した主な公式一次は次のとおりです。国土交通省「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」令和7年12月1日施行版(断熱等性能等級・一次エネルギー消費量等級の定義)/国土交通省・一般社団法人 環境共生まちづくり協会「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド」令和7年3月(等級4〜7の8地域別UA値基準・気密の位置づけ・HEAT20との対応)/国土交通省「住宅:住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法・住宅性能表示制度の位置づけ)/HEAT20「住宅シナリオと外皮性能水準」公式(G1・G2・G3の地域別UA値)/経済産業省 資源エネルギー庁「ZEHに関する情報公開について」(ZEHの政府定義・強化外皮基準の水準感)/国土交通省「建築物省エネ法に基づく省エネ性能表示制度」(2024年4月開始の省エネ性能ラベルの位置づけ)。8地域×7等級の巨大UA値一覧表は、転記ミスと保守コストの観点から本文には掲載せず、6地域(温暖地)の例示にとどめ、他地域は国土交通省の設計ガイドの元表を参照いただく構成としています。地域区分の詳細と全部を並べた表は国土交通省・独立行政法人 建築研究所が公表する公式ページで確認してください。ZEHについては、経済産業省が主管する別制度であるため、断熱等性能等級との「等式書き」(ZEH=等級5・6等)は行っていません。ZEH+・Nearly ZEH・ZEH Orientedなどの派生カテゴリの詳細と補助金の具体額は、補助金・住宅ローン控除ガイドに委譲し、本記事では重複掲載を避けています。C値については、公式に法基準がないため、「HEAT20の目安として0.7±0.2㎠/㎡」以上の絶対値の断定は行っていません。年次更新は、住宅性能表示制度・省エネ基準の改正(例年4月施行)を各年の3月時点で点検し、告示・省令の改正があった場合に本文の等級区分・基準値・出典年度を差し替える方針です。当サイトは断定的な資金計画・光熱費・健康効果のアドバイスや、特定の会社をおすすめする内容の記事作成は行いません。